気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレについて、専門家の先生にうかがいました! 今回は「社会科」です。
今年7月の国政選挙、何が変わるの?
今、政治の世界はすっかり「選挙モード」になっているのをご存じですか? 今年は7月に参議院選挙が控えていて、政治日程はこの参議院選挙を軸に組まれています。そして今年はその選挙制度が色々と改正されたのです。
一番大きく変わったことは、選挙権の18歳以上への引き下げです。戦後70年、選挙権は「20歳以上の、日本国籍を有するすべての男女」とされてきましたが、年齢要件が18歳以上となり、これによって有権者は約240万人増えることになりました。
共通投票所を設置することができたり(市区町村の判断により駅やショッピングセンターなどに設置が可能)、転居などで “空白期間”ができてしまい、投票できなかったことも是正される(諸条件はありますが転居前の住所で投票できる)など、投票率のアップ、特に若者や子育て世代が投票しやすい環境の整備のために、色々な制度改正を行いました。
これらは、参議院選挙だけでなく、衆議院や地方選挙にも適用されることですが、参議院に限って言えば、選挙区の区割りと定数が変更されました。人口の多いところから選ばれる議員と、少ないところから選ばれる議員では、投じる一票の価値が違うことは、憲法が保障する「平等」の原則に反するということで(いわゆる「一票の格差」)、島根県と鳥取県、高知県と徳島県を、それぞれ一つの選挙区とし、この二つの選挙区では定数を2減しました。
また宮城・新潟・長野も2減、北海道・東京・愛知・福岡・兵庫はそれぞれ2増とする「10増10減」の定数是正を行ったのです。都道府県を超えた選挙区調整は、初めてのこと。選挙制度はより民意を正しく反映するために、常に制度改正が求められています。
今年の選挙では、高校生の子どもが投票する、というご家庭もあると思うので、ママたちも、まずは制度をしっかり頭に入れておきましょう。そうそう、18歳未満であれば、投票所への子どもの同伴も可能です。ぜひお子さんと一緒に投票に行ってくださいね!