長時間労働が改善される? 「働き方改革」に期待されること

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレを、専門家の先生に教えてもらいましょう! 今回は「社会科」。政治ジャーナリストの細川珠生さんにうかがいます。

働き方改革で、何が変わるの?

子育てと仕事の両立のためには、「悪しき慣習」ともなっていた長時間労働の改善は欠かせません。そこで、安倍政権は「働き方改革実行計画」を取りまとめました。

その内容は、まず、時間外労働、いわゆる残業時間の上限規制です。

月45時間、年間360時間を限度(特例などあり)とし、罰則がつきます。それでも、平均すると2〜3日に一度、2時間程度の残業が発生する可能性があるので、どれだけ長時間労働の是正につながるのかは、不明です。

残業代に依存した生活設計にならないよう、生活が成り立つ給与の在り方も、検討されるべきでしょう。

非正規雇用でも正規雇用者と仕事の内容が同じなら、給与や休暇、研修の機会などの待遇が保障される「同一労働同一賃金」も盛り込まれています。

一方、能力や経験の違いがあれば、違いに応じることも認められています。つまり、同じ仕事内容で、同じように責任を求める職務であれば、雇用形態は正規か非正規かを問わないというものです。

そもそも「働き方改革」が求められたのも、家庭と仕事の両立のためには長時間労働を改めることが必要だからです。

また、家庭との両立を望む女性は、必ずしも「正規雇用でフルタイム」という形態ばかりを望んでいるわけではありません。

そこで政府は、非正規でも、残業をしなくても、やりがいを持って働ける環境を作るために、これらの規制や改善策を取りまとめました。

女性の学び直しの機会や病気の治療と仕事の両立、介護や子育て支援の方策なども含まれる実行計画ですが、一方、これまでの日本社会の文化ともいえる勤勉な働き方、職場での協調性などを否定しすぎることにも不安が広がっています。

私は、一気に変えることはなかなか難しいとは思いながらも、働き過ぎの日本人が、もう少し家庭や個々の生活を尊重できる社会であってほしいとも思っています。

(Hanakoママ 51号より)

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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