予防接種で半日の休暇も認められる。新しくなった「改正育児・介護休業法」

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレを、専門家の先生に教えてもらいましょう! 今回は「社会科」。政治ジャーナリストの細川珠生さんにうかがいます。

1月からの「改正育児・介護休業法」で、対象者や休暇の取り方が柔軟になりました

今年1月から新しく施行されている「改正育児・介護休業法」。

ポイントは、必要に応じて〝こまめに〞休暇などがとれるようになったこと、対象を有期雇用(いわゆる非正規)や法律上の親子関係、同居の有無などにこだわらず、実際に育児や介護を行っている人に広げたことです。

これまで育児休業の取得要件は、1)申し出時点で過去1年以上継続した雇用がある 2)子が1歳になった後も雇用継続の見込みがある 3)子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く、とされてきました。

今回の改正で、1)はこれまで通りですが、2)は削除、3)は1歳6カ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと、になりました。

つまりこの先の雇用契約がどうなるか明確でなくても、ひとまず育児休業を取得できるということです。

子どもの看護休暇については、これまで1日単位だったものが半日単位でとれるようになりました。これは、介護休暇についても同じです。いずれも、対象者一人につき年間5日(二人以上は10日)の取得が可能に。

予防接種や健康診断など、丸1日は必要ない場合に、半日だけの休暇
が認められます。

介護休業については、これまでは「介護を必要とする家族一人につき、通算93日まで原則1回の取得」でしたが、93日の範囲内であれば、3回を上限に分けて取得できるように。

また対象家族一人につき、介護の必要がなくなるまで残業の免除が受けられ、時短も介護休業とは別に取得することができるようになりました。

育児や介護をしながら母親が働く環境は、制度上は少しずつ良くなっています。

とはいえ、子どもを理由に仕事に支障が出ないとは言い切れません。

できるときに、できないときの分を挽回する努力もしながら、何より、周囲の温かい心で制度が運用されることを期待したいですね。

(Hanakoママ 49号より)

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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