小中一貫教育のメリットって?

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレについて、専門家の先生にうかがいました! 今回は「社会科」です。

9年間の義務教育をひとつの学校で学ぶ「義務教育学校」

 

このところ、教育分野の改革がどんどん進んでいます。まさに新幹線並みのスピード。今年4月にスタートする「義務教育学校」もその一つ。“初ミミ”という人も多いかもしれませんが、実はこれ、かなり大きな改革なのです。

義務教育といえば、小学校と中学校がありますが、義務教育の9年間を継続した一つの学校とするのが、この「義務教育学校」。いわゆる小中一貫教育です。

東京都品川区が全国で初めて、2006年に公立の小中一貫校を開校し、現在、小中一貫教育を行っている公立校は全国で1100件を超えています(校舎が分かれているものも含む)。これまで、法律で決められた学校種は、義務教育としては小学校と中学校だけだったので、小中一貫教育は、文部科学省に申請し特例校扱いとして行うしかありませんでした。それが昨年、法改正が行われ、「義務教育学校」が3種類目の学校として正式に位置づけられたことにより、各自治体の判断で開校が可能になったのです。

この背景には、「中一ギャップ」の問題がありました。小学校と中学校では勉強の仕方も学校生活も大きく変わりますが、うまく対応できない子供たちが増え、不登校やいじめなどの問題も増加傾向に。子供たちの発達も早期化しており、思春期も、この30年間で2~3年早まる傾向にあります。外国語や情報など、学習する内容や量も変わってきました。そもそも9年間の義務教育は、戦後、それまで小学校6年間だったものに3年間の中学校を付け足しただけ。子供の実態や社会の変化の中で、一貫した義務教育を行うことは、理に適っているともいえます。

ちなみに、義務教育学校では入学式と卒業式はそれぞれ1回ですが、9年間を前期・後期に分け、それぞれ区切りの“儀式”は行うとのこと。“学区”も変えないので、ほかの小学校から義務教育学校の7年生(中学一年相当)に転入学することも可能です(いずれも品川区)。学校制度の歴史的な大変化。でも心配無用といえるでしょう。

(Hanakoママ 35号より)

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