- 2020-7-29
- 週刊 世界と日本
人に会って話を聞く、現場へ行って実物を見て、空気を感じる・・・ジャーナリストの基本ともいえるこれらの行動が、コロナ禍で制限された。しかしながら、「オンライン」という手法が急速に進んで、家の中でも取材活動ができないわけではなく、十分ではなかったが、何とか凌ぐことはできた。私のラジオ番組(「細川珠生のモーニングトーク」ラジオ日本)も電話による「リモート収録」で乗り切ってきたが、質問をして「空気が凍り付く」あるいは、「高揚する」というような「感覚」が得られないことは、やはり仕事への支障として否定することはできない。
この間、率先して「家の中」で行ったことは、時間ができたら読みたいと思っていた本や資料を片っ端から読んだこと。外に出られないのなら、徹底して知識をつけようと割り切ったのである。そして、もう一つ、家族との時間を楽しむこと。この両立は、言うほど簡単ではないが、海外の高校に在学する息子と、再びこんなに長く、それも家族そろって過ごせるとは、まるでボーナスのような時間でもあった。「家の中」にしかいられない中で得られた新しい充実の時間が、これから公私の両面でプラスになるよう、努力していきたい。
週刊「世界と日本」2020年7月20日号
出版元「(株)