トランプ氏の勝利は、 私たちの暮らしに影響ありますか?

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレについて、専門家の先生にうかがいました! 今回は「社会科」です。

彼の「アメリカ第一主義」は日本経済にとって、大きな脅威になる可能性が

今年一番の世界の話題は、ドナルド・トランプ氏が次のアメリカ大統領に選ばれたことかもしれません。

トランプ氏は、知名度こそ抜群でしたが、NYに建てた金ピカのトランプタワーや、数々の暴言で世界を驚かせていた「不動産王」。政治経験がないため、強気な演説を政策として実行できるのか、政治家としても大統領としても、あまりに未知数です。

日本との関係で考えると、一番の心配ごとは、日本における米軍の経費負担が大きくなるのかどうかということでしょう。

さらに、私たちの日々の生活にかかわってくることといえば、経済です。アメリカはTPPの合意国ですが、トランプ氏は批准に超消極的。TPP自体の先行きが不透明になりました。その根底にあるのは、「アメリカ第一主義」、つまりアメリカにとっての利益だけを考える、言い換えればアメリカの利益にならないことはやらない、というトランプ氏の考えです。

関税をなくす自由貿易などもってのほか。他国の製品には高い関税をかけて、アメリカの製品や産業を守るという姿勢です。またアメリカが輸出で収益を上げるためには円高ドル安の方がよく、円安の方が高く売れる日本の輸出製品は打撃を受けることに。

為替相場は立ち場によって、受け止め方は様々ですが、国としては自国の製品が高く売れる政策をとる方が好ましいのです。円安ドル高で経済を回復基調に乗せたアベノミクスは、まず企業の業績を上げ、次に家庭の景気がよくなるとされてきました。

まだ個々の生活が良くなったという実感がない中で、アメリカが大きく方針転換すると、また企業の業績が悪化し、私たちの生活がよくなる見通しが立たなくなるという心配が出てきます。

日本にとって、同盟国のアメリカとの関係はとっても大事。両国とも自国の利益が追求できるような、本当の意味での信頼関係を築いていく努力がお互いに必要ですね。

(Hanakoママ 46号より)

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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