気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレについて、専門家の先生にうかがいました! 今回は「社会科」です。
参議院と衆議院ってなにが違うの?
いよいよ参議院選挙です! とはいえ、参議院ってそもそもどんなところ? 参議院と衆議院の違いって? とうっすらとした記憶に悩んでいる人も多いでしょう。そこで、選挙前の大事なおさらいです。
衆議院と参議院には、機能や意味において、たくさんの違いがあります。参議院は戦後できたもので、戦前には貴族院と呼ばれ、旧華族や学者など社会的地位の高い人たちによって構成され、選挙もありませんでした。衆議院は戦前から選挙で議員を選んでいましたが、選挙権があるのは一定以上の税金を納めた男性のみ。戦後、占領政策により日本の様々な制度が変わりましたが、その中で貴族院は参議院になり、衆参両院とも「20歳以上、日本国籍を持つすべての男女」が有権者となって、議員を選挙で選ぶようになりました。
参議院より衆議院が優先されることはいくつかあります(「衆議院の優越性」)。すべての法案は衆参両院で審議をして成立することになっていますが、もし衆参で異なった議決をした場合は、いくつかの条件はありますが、衆議院の議決が優先される場合が多いです。また予算案など重要法案は必ず衆議院から先に審議をし、総理大臣は衆議院からしか選出されません。参議院ができた当初は、政党の候補者が中心の衆議院とは異なり、色々な分野の専門家が無所属で立候補して、より高い見識で政治を行うということが大きな役割とされ、「良識の府」とも呼ばれてきました。一院の暴走を止めるなど、「二院制」の意義はとても重要です。
今、両院の違いが少ないと思われる主たる原因は選挙制度にあります。詳細は違いますが、選挙区と比例代表で選ばれるという点では衆参同じ。結果、政党中心の院になっていて、参議院の存在意義が問われてしまうのです。本来の参議院の役割のためにも、「良識の府」にふさわしい人を選ばないといけないですね。