月額3万円支給される!? 返済不要の奨学金

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレについて、専門家の先生にうかがいました! 今回は「社会科」です。

月額3万円を軸に支給される「給付型奨学金」がまもなく導入される見込みです。

子どもの成長と共に、かかってくるのが教育費。

小中学校での習い事や塾の月謝などの出費も正直、家計には結構な負担となりますが、何といっても〝教育費・クライマックス〞は大学。

大学進学率は上昇しているけれど、奨学金の申請数も増えていて、でも、卒業しても返済が思うようにいかないなど、教育費の負担の問題は長い期間にわたって大きな悩みの種となります。

日本の景気がなかなかよくならないのは、子育て世代の消費が増えないことも一因。その根源にあるのは、教育費がかかるという問題です。

そこでかねてから〝切望〞されていた「給付型奨学金」、つまり返済不要の奨学金が、ようやく平成30 年度から導入される見込みとなりました。

国公私立別、自宅・自宅外別に配慮されますが、月額3万円を軸に支給されるようになります。

「私立・自宅外」の学生については、先行して来年度、つまり今年4月から支給される予定です。

これまで一定の成績が条件であった「無利子奨学金」も、成績基準を実質撤廃し、約130万人が有利子・無利子のいずれかの奨学金を受給できる見込みとなりました。

成績優秀でありながら授業料の納付が困難な「授業料減免対象者」も、国公私立合わせて1万2000人増やす予定。都道府県が実施する「高校生等奨学給付金」と合わせ、高等教育での教育費負担を減らす方向で国が動いていることは、ありがたい限りです。

実は大学の授業料は、バブル真っ只中の1986年と比較すると、国公私立共1・8倍程度に増えています。

一方、名目賃金は、1995年を100とすると、2012年は87(米180・8、欧149・3)で、賃金は下がっているのも事実。親世代が苦しいのも無理はありません。

少子高齢化の中で、増えていく高齢者の対策だけでなく、子どもにかかる経済的負担の軽減は、もっとあっても良いと思いますが、まずは一歩ですね。

(Hanakoママ 48号より)

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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