2017年、ママたちのお財布の紐はどうなる?【第17回 細川珠生の「ママは政治1年生」】

クリスマス、お正月とイベント続きの年末年始。主婦や母親にとっては、ゆっくりする暇もなく、疲れがとれたのかたまったのかわからないまま、また新たな年が始まったという人も多いことでしょう。一年で一番寒くて、朝がツライこの時期を乗り越えると、あっという間に今年度も終わり。1学期や2学期に比べると半分の日数しかない3学期なのに、行事も多く、新年早々慌ただしく毎日が過ぎていきます。

昨年3月にこの「ママは政治一年生」の連載を始めて、それに合わせるかのように、政治の話題に事欠かなかった2016年ですが、今年も、政治の話題満載の一年になりそうです。

まずは、今月20日に、いよいよドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領に就任します。経済、軍事、さまざまな情勢が全く予測できず、日本だけでなく、世界の国々、世界のリーダーたちが戦々恐々、様子見をしているような状況です。アメリカの産業を守るための策を講じることにも躊躇がないトランプ氏ですから、日本経済への影響も心配です。

日本のお隣・韓国でも、朴槿恵大統領の職務停止状態を受け、6月ごろには大統領選が行われると予想されています。3月にはオランダ、4月にはフランス、秋にはドイツでも選挙があり、アメリカ大統領選挙のようなグローバル化への懸念、難民問題などから国民の鬱憤や不安がどこへ向かうのか、国際的な協力の姿勢から自分たちの国さえよければいいという「○○ファースト」の意思が多数を占めることも予想されています。

では、日本の2017年は、どんなことが話題になってくるでしょうか。

2017年の政治のカギは何か

2016年、国内政治の話題・総ナメ状態だったのは、小池百合子東京都知事の誕生です。
今年は、6月に東京都議会議員選挙が行われるので、「知事VS都議会」(というよりは、「小池VS都議会自民党」と言い切ってもよい)の対決構図がどのように変化するか、大いに注目されます。

その前、2月には、小池知事になって初めて編成された東京都の予算案についての議会での議論が始まります。補償を含む築地市場の延期に係る諸費用など、知事が用意した予算で議会がすんなり納得するのか、注目されます。また、都議会自民党の大人気ない知事イジメをしている光景には、都民もウンザリしてしまいます。そんな態度では自分の立場も危うくなりますから、大人の対応で戦ってほしいですね。

また天皇陛下の生前退位についての法整備も、今年の早いうちにやらなくてはなりません。通常国会での優先議案です。そして、なんといっても、今年の政治の大きな課題は、国民一人一人の生活が少しでも上向くこと。

円安や株価上昇等で企業の業績はアップしているのに、国民一人ひとりのお財布状況はなかなか改善されていません。統計的には「実収入」は、2016年も前年に比べてわずかながら増えているのに、消費は相変わらず前年と比べると落ち込んでいるのが実態です。つまり、「つかわず、貯めこむ」ということ。それでは経済活動が止まり、ますます景気は良くならなくなってしまいます。

収入を得た人たちが消費するようになること、これが2017年、日本の大きな目標です。これまでお財布の紐を固くしてきた母たちが、将来を不安に思うことなく必要に応じて消費できるかどうかはこの1年の政策によって変わってきます。

そのためにはお給料を上げること、将来への漠然とした不安をなくすために、実態をともなった「成長戦略」を本気で作ることが、政治の使命と言えそうです。

待機児童対策や働き方改革、介護離職ゼロ、給付型奨学金、大学入試改革などは個別政策ですが、ウーマンエキサイトの読者が気になる話題が今年も満載。この連載で、個別テーマも一つひとつ取り上げていきたいと思います。

woman excite 第17回 細川珠生の「ママは政治一年生」

 

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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