返済の必要のない給付型奨学金、貰うにはどうすればいい?【第18回 細川珠生の「ママは政治1年生」】

新しい年になって、1ヶ月半。とはいえ、母親にとっては学年末でもあるこの時期は、どちらかというと、「一年の締めくくり」感が漂う季節でもありますね。新年度の準備といっても、4月以降の予定が読めず、予定が立てづらかったりと、母親にとっては何ともやきもきする季節です。わが家も今年は小学校卒業、そして中学入学という節目の年なので、この春はイベント三昧。今は、卒業へ向けての準備に、親子それぞれが忙しいという毎日です。

「給付型奨学金」先行して一部4月から支給予定

子どもの成長は嬉しいものですが、それと共に、かかってくるのが教育費。節目の年は、それをなおさら実感します。しかし、吉報です! 子育て世代の家計の負担を減らすために、かねてから切望されていた大学の教育費のための「給付型奨学金」、つまり返済の必要のない奨学金が、漸く平成30年度から導入される見込みとなりました。

通う大学の国公私立別、また自宅から通うのか、そうでないかによって配慮されることになりますが、月額3万円を軸に支給されるようになる予定です。「私立で・自宅以外からの通学」の学生については、先行して来年度、つまり今年4月から支給される予定なのです。

また、これまで一定以上の成績をとっていることが条件であった「無利子奨学金」も、成績基準を実質なくして、約130万人が有利子・無利子のいずれかの奨学金を受け取ることができる見込みとなりました。

成績が優秀でありながらも、授業料の納付がむずかしい「授業料減免対象者」を、国公私立合わせて1万2千人増やす予定。都道府県が実施する「高校生等奨学給付金」と合わせて、義務教育を終えた後の、高等教育での教育の費負担が少しでも減らされる方向で国が動いています。これらすべて「予定」としたのは、今、国会で来年度、つまり4月からの2017年度予算案が審議中。これが成立しなければ、正式にスタートということにはなりませんが、ほぼ、この点においては「案」通り決まる見込みです。

学費を稼ぐために勉強よりアルバイトをするという悪循環

実は大学の授業料は、バブル真っ只中の1986年と比較すると、国公私立共1.8倍程度に増えています。一方、名目賃金は、1995年を100とすると、2012年は87(米180.8、欧149.3)で、賃金は下がっているのも事実。

親世代が苦しいし、学費を稼ぐために、勉強よりアルバイトに忙しい学生も決して少なくありません。なぜ大学で学ぶのかという意欲や目が必要ですが、可能性のある若者には、できるだけ勉学に勤しんでほしいと思います。大学でも、退学者を減らすために、相談体制を設けたりなど努力をしていますが、それだけに、直接経済的にサポートを得られる制度は、有難いものです。

子どもにかかる経済的負担の軽減がないと、勤労世代の消費も増えません。それらを総合的に考えると、増えていく高齢者の対策だけでなく、教育費への国の支出がもっとあっても良いと思います。それと同時に、大学へ行って何を勉強するのか、将来、それをどう生かしていくのかをしっかり考えて、進学してほしいと思います。

woman excite 第18回 細川珠生の「ママは政治一年生」

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政治ジャーナリスト細川珠生

 

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