参議院選挙で憲法改正への動きが強まった今、私たちがすべきこと【第7回 細川珠生の「ママは政治1年生」】

第24回参議院選挙が終わりました。「争点がない」「無風選挙」などと言われ、東京都知事選の方にすっかり話題が取られていた選挙でしたが、終わってみれば、わずか2.09%とはいえ、投票率も若干の増加で54.7%。期日前投票は、全有権者の約15%の1598万6898人が行い、過去最多となりました。

あなたの一票が政治を変える

初めて10代が国政選挙に参加することになり、10代向けに、「主権者教育」が始まりましたが、それが大人世代にも影響を及ぼし、少しでも選挙の重要性、主権者としての国民の責任が自覚されるものになっていれば、18歳選挙権の意義はあったと言えるでしょう。しかし、やはり有権者の約半数しか投票に行かないのは「問題あり」ですね。

政治は、私たちの生活に直結するさまざまな制度を作っています。また国が進むべき方向性を示しています。私たちは、選挙でその制度設計や進むべき道を決める代表者を選び、国会に送り込んでいるのです。その意味からも、私たちの一票が政治を決める。「誰に入れたらいいのかわからない」「誰に入れても同じ」とあきらめる前に、「誰に入れるべきか」を真剣に考える努力が必要です。

消費税増税を延期したことによる経済対策は?

さて、選挙結果は、安倍政権が目標としてきた「自民党と公明党の与党で改選議席(121)の過半数(62議席)の議席確保」を大幅に上回る70議席を獲得しました。ひとまず安倍政権は信任され、今後は、消費税再増税の再延期を決めた根拠である経済の本格回復を目指し、経済対策を行っていくことになるでしょう。

世界から見ても、日本は憲法改正のハードルが高い

また、今回の選挙結果により、衆参両院で初めて改憲勢力が3分の2を超えることになりました。この「改憲勢力3分の2」というのは、日本国憲法第96条の、憲法改正には、衆参各院で、総議員の3分の2以上の賛成によって国会に発議することが必要であると定められていることを指します。

また、憲法改正にはさらに国民投票により過半数の賛成が必要です。この改正の要件は、諸外国と比べてもとても厳しいのです。OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中、二院制でどんな条項でも必ず国民投票を課しているのは、日本の他に、オーストラリア、アイルランド、そしてスイスの4カ国だけです。またこの3カ国も、国会での発議要件は過半数の賛成であり、日本がいかに憲法改正のために高いハードルが課せられているかがわかります。

これは、今の憲法が占領時代に作られたことに起因します。この憲法を作ったGHQ(連合国軍総司令部)が、簡単に憲法を改正させないように、あえて高いハードルを課したとも言われており、憲法ができて70年、社会も、また国際情勢も大きく変化しているにも関わらず、日本の憲法はそれに見合ったものに変えられない大きな原因となってきました。

ちなみに、世界各国の憲法は、時代の変化の中で、改正を繰り返してきました。駒澤大学名誉教授の西修先生の調査によると、アメリカ、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど、主要国はすでに20回から60回近い改正を行っています。

憲法改正への動きが強まった今、すべきこととは

今回、改憲勢力、つまり憲法改正の必要性を訴える政党で3分2を占めたことで、憲法改正の議論は本格化してくるでしょう。とはいえ、議論はこれからで、その後、具体的な改正の条文が決められ、最後は国民投票で私たちが直接意思を示すことになっています。今から初めて憲法のことを学んでも、遅くはありません。国民投票が終わった後に「もっとちゃんと考えればよかった」などというどこかの国のようなことにならないように、これからしっかりと憲法に関心を持ち、考えていくことが、私たち有権者の務めです。

 

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