レタス400円はいつまで続くの? TPPから解く野菜高騰の行方【第12回 細川珠生の「ママは政治1年生」】

最近、野菜、特にレタスなどの葉物が高いと感じませんか? どうも、9月の台風や長雨の影響か、日照不足でよく育っていないということのようだけど、野菜が高いのは、家計にも大打撃。かといって、家族の健康を管理する者として全く食べないというわけにもいかないし、主婦としては、スーパーに行くたびに頭を悩ませてしまいます。

生産者である農家の皆さまも大変でしょう。お天気の影響をもろに受ける農業や漁業は、安定的に作物が収穫できることに、どれだけの努力をされているか、頭が下がります。ここ数年の異常気象や、自然災害の甚大さを考えると、お天気の影響を受けずに、野菜が育ち、私たちの食卓にも安定して届く方法がもっと進んでいくといいのに、と思わずにはいられません。

そんなふうに農業を行っていくのが当たり前になるかどうかわかりませんが、私は、今、世の中で話題になっている、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)がその一つの契機になるのではないかと、期待しているのです。

今、行われている国会でも、TPPに関する審議が本格的に始まりました。でも、まだまだ「TPPって、一体なに?」と思っている人も多いし、野菜の値段の変動がなくなることになるのかよくわかりませんね。協議のメンバーだったアメリカも、次期大統領候補が共に慎重姿勢を見せていることから、日本もこれを進めることはいいことなのか、悪いことなのか、わからないことだらけです。

そもそもTPPって何?

TPPは、太平洋を囲む12カ国(日本、米、カナダ、シンガポール、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、オーストラリア、メキシコ、ペルー、チリ)が、さまざまな経済活動のために、連携のルールを作りましょうというもの。農産品に関するルールも含まれています。2年以上にわたる協議の末、昨年10月に参加12カ国で大筋合意しました。

どんなルールかといえば、輸出入の時にかかる関税の撤廃が象徴的な一例ですが、それ以外にも、知的財産権(例えば著作権の有効期限の延長や短縮)、サービス(携帯電話の国際ローミング料金の引き下げ)、出店の規制緩和(例えば外国でコンビニなどを出店に課せられていた資本規制が緩くなる)など、21分野にわたります。

農産品についてのルールは、「関税の撤廃」に含まれます。日本は9018品目の輸入品の95.1%について行うことが決まりました。ただ撤廃のタイミングは、例えば、ブドウやエビは即時だけれど、アジやサバは16年かけて行うなど、品目によって差があります。工業品については、全ての製品の関税が撤廃されますが、農産品については、参加国平均を下回る81%にとどまり、国内農産品への影響へ配慮したことが伺えます。

関税を撤廃するということは、日本の製品が海外(提携国内)で安く売れ、売り上げや利益につながる一方、海外からも安い輸入品が入ってくるということ。より国際的な競争力が求められることになります。でもそれは、全ての参加国に当てはまることです。それでもこの協定を結ぶことにしたのは、今やどの国も、自分たちの国だけでは経済発展に限界があり、環太平洋の12カ国で共に手を携えながら発展していくことを目指すという理由があるからです。

野菜高騰が再び訪れないためにはどうしたらいい?

日本の農産品は関税の撤廃率も低く、他の物に比べ保護されているという印象ですが、保護するだけでは、生き残っていけないのも現実です。そこで、例えば、野菜工場などをもっと進め、気候の影響を受けずに安定的に、しかも安全でおいしい野菜が生産できれば、日本の国内にとっても、海外との競争においても、有利になるはずです。漁業も、養殖技術が進んできていますが、農水業は後継者不足の問題も深刻。国際競争力と高めるために、新しい生産や経営体制を取り入れていくことも必要です。今までとは違った方法を生み出すいいチャンスとなるのが、このTPPとも言えるのです。

今年2月にTPPの署名式がニュージランドで行われましたが、署名後2年以内に、全ての国が国内法の手続きを終え、全ての署名国が国内法の手続きを完了してから60日後に発効することが決まっています。最長でもあと1年半。確かに、大変なこともありますが、「ピンチをチャンス」に、「レタスが高すぎて買えない!」ということがないように、農業従事者だけでなく、オールジャパンで知恵を絞っていくことが必要ですね。

woman excite  第12回 細川珠生の「ママは政治一年生」

関連記事

ページ上部へ戻る